抱きしめたい

美男美女のスイーツ映画かと思いきや全然違うじゃないか!!

キラキラした恋愛ものが見たい。難病物で大泣きしたい。
こういう人が見ると肩すかしをくらう、ちょこちょこ見られる売り出し方と本編が実は合致してない映画のひとつ。
見た人はさぞ、思ったより泣けなかった。ラブシーン足りない、唐突すぎて泣けないという不満の嵐でしょう。(私もちょっと思った。。)

でもこの映画の神髄は実はそこではなく、1番の魅力は主人公が不幸な事があっても奇跡的に復活して明るく過ごす中で幸せを見つけた事。事実は小説より奇なりで、まさか死ぬなんて誰も思ってなかったから、映画に悲壮感は微塵も感じられません。これが病気ものだったら、余命1ヶ月の花嫁みたいになりそうだったけど。寒い土地で温かな幸せがあっただけ。それを表すかのように、本当に静かな映画です。劇的な演出はほとんどなし。お涙頂戴もなし。そこがかえって自分は好感をもてました。

1番好きなのはつかさが勝手に悩んで、勘違いして、嫉妬して怒ってたら雅己がウェディングの申し込みをしてきてリハビリ住宅のパンフレットまでもらって来た時のシーン。つかさはほっとして、泣いて。でも照れくさくてつっけんどんな態度を取るのだけど、それを雅己は後ろでえっえっと困るところ。女子は誰しも共感してしまうんじゃないかなぁ。。。そんな平和がなんとも微笑ましくって。普通の恋人同士でしたね、あそこは。
予告でも流れていたメリーゴーランドのシーンは、情景もあいまって、この映画随一の美しいシーン。あそこだけキラキラと輝いていますが、それもそのシーンの背景に至るまでの障がい者故の悩みもあり、実は物悲しいシーンだったとは、思いもしなかったですね。

北川景子も熱演のリハビリシーンが1番の泣き所。私は風吹ジュンさんにどうしても弱いのでそこが一番うるうるしてしまいました。あと國村隼さんの名前本のシーンにもほっこり。こういう作品は父母の関係がどうしても大切になってきますね。

ただ惜しむらくは、北川景子が綺麗すぎて、化粧がバッチリすぎて、作品と融和してない点。作品によってメイクを変えるとか、難しいんですかね…。
あと、記憶障害という点が今一映画だけ見ると伝わりづらく、どのような苦労があったか、よくわかりませんでした。記憶障害というと50回目のファーストキスくらいの障害かと思っていたけど、そこまで短期ではなかったということなのかな。

錦戸くんは不器用なドライバーを好演していたと思います。が、まだまだ子持ちには見えないんだよなぁ。子持ちの役が最近なぜか多い気がするけど。王道のラブストーリーって今まであまりなかったような気がするので、若いうちにもうちょっとやって欲しいですね。

上地くんは土竜の唄より抱きしめたいの方が素朴な良い演技で私は好みです。

網走の寒々しい景色と、ほんの小さな幸せと、悲劇と。日々の幸せを噛み締める映画でした。

そうそう、2/9に行われた大ヒット舞台挨拶に参加させていただきましたが、北川景子のキラキラっぷりに圧倒されましたよわたしゃ。まばゆい…。ちょいちょい出る関西弁が、男心をくすぐりますわ、そりゃ。女ファンもいるみたいなのが印象的でした。錦戸くんは紫?のスーツで。照れながらチョコを食べてるのが印象的でした。丸ちゃんが「これから見る!」と写メ送ってきた話は絶対しようと思ってたんだろうなぁ〜〜。良い体験でした@@