SMAPの解散によせて

1月13日、SMAPの最初の解散報道が報じられた。朝早くに寝ている私に同居人から「SMAP解散するって」と言われた時の私の反応は「はいはい。私を起こそうと思って嘘ついてもムダです」だった。それほど青天の霹靂の報らせであった。一般人の方がよっぽど真実だと思っていて、昔はよく解散報道やスマスマ終了のニュースがあったりしたもので、私はそれと同じだと思っていた。それほど現実味のない話であった。

しかし、俄かに界隈がザワザワとし始め、様々なニュースが毎日報じられる事となった。ニュースを鵜呑みにして有る事無い事言われる日々に疲弊した頃、スマスマで生でコメントが聞ける事となった。

 

1月18日のスマスマ。5人のコメントを震えながら見ていた。事態を軽んじていた私でさえ、大変なことになっているとはっきりわかるくらい、ポジティブな様相ではなかった。5人は辛そうな表情であり、「解散しません!」という一言さえ言えない状況だった。解散しないで、という事が五人の幸せの為なのか、とおもわせてしまうぐらいの衝撃があった。

 

8月14日未明、SMAPが解散を発表した。
1月の騒動はあったものの、やはり私にとっては青天の霹靂の出来事であった。
長らく愛したSMAPがいなくなる。それは、当たり前にあったものがいなくなる、親や友達がいなくなるのと同じ感覚で想像がつかないものだった。私はどんなに報道が出てもどこか絵空事のようで、信じられないし、信じたくなかった。でも、寝て起きても解散は夢じゃない。夢じゃなかった。

 

12月26日。スマスマ終了。結局スマスマを見ながらも、現実味が全くなかった。私は沢山涙しながら、彼らはいつものままであり続けた事に感謝した。スマスマが終わるだけ。そんなようにも見えた番組構成だった。

 

そして、12月31日をもって解散。紅白には結局出なかったが、出なくて良かったと思う。紅白に出て大々的に解散なんてしてしまったら、区切りが明確になりすぎるからだ。そして、スマスマの湿っぽさを考えると、年越しに全くふさわしくなかった。正解だったと思う。

 

 

突然だが私はSMAP結成の2年前に産まれた。ほぼ同世代だ。そのため、物心ついた時には既にSMAPがいた。幼少期に必ず通る少女漫画、そしてアニメ。その主題歌をやっていたのがSMAPだ。私はそこを通して彼らを認識した。

その後彼らはドラマやバラエティで爆発的ヒットを飛ばし続け、知らない人はいないというくらいになった。別に誰が好きという事はなくても、ほぼ全員のドラマを見て、ほぼ全員のバラエティを見ていた。今考えると本当にすごいことだと思う。

私がSMAPヲタクになったのは、2003年からである。経緯は割愛するが、本格的に堕ちたのは、ドリスマのDVDを見たからだ。買ってから毎日毎日暇さえあれば見ていた。

SMAPになぜ惹かれるのか。
理由は人によって千差万別だろうが、私の場合は個性バラバラの5人が集まった時に発せられる驚異的なパワーだ。そしてそれを一番体感できるコンサートが好きだったのだ。

SMAPの解散が発表され、驚きと悲しみと怒りと悔しさと色々な気持ちがないまぜになった。
なぜ、解散しなければならない?なぜ?いやだ、絶対いやだ。いろんな思いが駆け巡った。

その中で一番確固たる私の思いは
「コンサートがもう見れなくなるのが悲しい」
これに尽きた。

ただ、コンサートはあと何年出来るのか、少し前から心配だった。
SMAPのコンサートは長い。4時間弱ある。
彼らのエンターテイメント性がそうさせる。
ソロコーナーもあるが、基本はみんな踊って歌う。
一番最後に行われたコンサートは2TOPが42歳の時だ。ただでさえSMAPはいつからか隔年でしかコンサートをやらなくなった。コンサートをやるのはそれだけ準備に時間が必要で、ただでさえ多忙な彼らの時間を奪うのだ。
44,46,48…いったい何歳までこの巨大なドームコンサートが出来るのか。会場を小さくしたら溢れるだろう。ディナーショーでは何かが違うだろう。最高齢のアイドルとして常に挑戦し、一度コンサートをやることになると全力でファンを楽しませてくれた。 

今年は通常通りなら、コンサートが行われるはずの年だった。しかし25周年のコンサートは行えない状態で、彼らは解散する事になった。

解散したかったのか、解散させられたのか、解散せざるをえなかったのか。部外者の私はわからない。

どうにもやるせない気持ちを犯人探しにぶつけたい気持ちもあった。どうにかしてやり直せないかと歯がゆい気持ちもあった。
ただ、5人の持つ驚異的な輝きを、綺麗なままで記憶しておきたかった。

 

今までずっと毎日テレビに出て、被災者に寄り添い、一般人を楽しませ、最後まで「アイドル」としていてくれた5人を、ずっと身を粉にして働いてきた5人の決断にとやかく言いたくなかった。

 

5人は最後まで、沈黙を貫いた。
無言は彼らの意思表示なのではないかとも思う。明確な表現を、解散コメント以外では避けてきた彼ら。

沢山のタブーがあった。ピンチはチャンスと乗り越えてきた。それでもなお輝く5人の姿に皆魅せられていた。願わくば色々なタブーや常識を打ち破ってきた彼らが、

解散したアイドルが復活する

ことで、また常識を打ち破ってくれる事を祈る。甘いと笑われても良い。それが私のささやかな願いだ。

 

 

また絶対スマコン行くからね。
それじゃまたね。しばしお疲れさま。